中小企業法律支援センター

コラム:知らなかったでは済まない下請法とその概要(その2) 投稿者 : 田中 康一(弁護士)

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執筆日:2016/7/18

正式名称を「下請代金支払遅延等防止法」といいます。取引通念上、発注者は受注者より優越的地位にあり発注者の規模が大きいほどその傾向が強くなります。そのため、発注者(親事業者)の一方的な都合により下請代金が発注後に減額されたり、支払いを遅延されたりすることを防止し、受注者(下請事業者)の利益保護を目的として制定されました。

親事業者にあたる場合の義務、禁止事項について①

Q.親事業者の義務にはどのようなものがありますか。

A.義務として以下の4つ項目が規定されています。

書面の交付義務(3条)下請代金の支払期日を定める義務(2条の2)、書類の作成・保存義務(5条)、遅延利息の支払い義務(4条の2)。

親事業者にあたる場合の義務、禁止事項について②

Q.親事業者の禁止事項にはどのようなものがありますか

A.禁止事項として以下の11項目が規定されています。

受領拒否(4条1項1号)、下請代金の支払遅延(4条1項2号)、下請代金の減額(4条1項3号)、不当返品(4条1項4号)、買いたたき(4条1項5号)、購入強制・役務の利用強制(4条1項6号)、報復行為(4条1項7号)、有償支給原材料等の対価の早期決済(4条2項1号)、割引困難手形の交付(4条2項2号)、経済上の利益の提供要請(4条2項3号)、不当な給付内容の変更・やり直し(4条2項4号)

親事業者の義務又は禁止事項に違反した場合の罰則等

Q.下請法に反した場合、親事業者はどのような処分を受けますか。

A.公正取引委員会及び中小企業庁から書面調査や立ち入り調査が行われることがあります(9条)。違反していると判断されると中小企業庁長官からの改善に向けた行政指導や公正取引委員会から是正勧告(7条)を受けます。なお、公正取引委員会から勧告を受けると「企業名」、「違反事実の概要」、「勧告の概要」が公表されます。

さらに、書面交付義務違反(3条)、書面作成・保存義務違反(5条)があると、50万円以下の罰金が科されることがあります(10条)。また、虚偽の報告をしたり、検査妨害等があると、同様に罰金が科されることがあります(11条)。

中小企業庁「下請代金遅延等防止法」
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/daikin.htm

公正取引委員会「下請法」
http://www.jftc.go.jp/shitauke/

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