経営お役立ちコラム

2020.04.08 【新型コロナウィルス関連】

新型コロナウイルス対策に関するQ&A
(労働関係その4:労災補償・その他)

雇用調整助成金等については、新型コロナウイルス感染症に関する厚生労働省のホームページをご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#hatarakukata

また、労働関係等については、個別の事情によって結論が変わってきますし、事案によっては微妙な判断が求められたり、最終的には経営判断をせざるを得ない部分もあるので、お悩みの場合は弁護士にご相談することをお勧めします。
事案に精通した弁護士にご相談したいという方は、遠慮なく、03-3581-8977までお電話いただくか、ウェブ申し込みをしてください。

関連記事

4 労災補償

Q1 労働者が新型コロナウイルス感染症を発症した場合、労災保険給付の対象となりますか。
A: 業務又は通勤に起因して発症したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。詳しくは、事業場を管轄する労働基準監督署にご相談ください。

5 その他

<新卒の内定者について>
Q1 今春から就職が決まっている新卒内定者の内定を取り消したり、入社してすぐに休ませてもいいでしょうか。
A: 新卒の採用内定者について労働契約が成立したと認められる場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定の取消は無効となります。事業主は、このことについて十分に留意し採用内定の取り消しを防止するため、最大限の経営努力を行う等あらゆる手段を講ずるようにする対応する必要があります。
また、新入社員を自宅待機等休業させる場合には、当該休業が使用者の責めに帰すべき事由によるものであれば、使用者は、労働基準法第26条により、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。
<在宅勤務を行う場合の手続き及び注意点>
Q2 在宅勤務を行う場合、何らかの法的な手続きは必要でしょうか。また、注意すべき点はありますか。
A:
<直接雇用労働者について>
在宅勤務に関し、事前に要する法的な手続はありません
なお、労働安全衛生法に基づき、使用者に対して、労働時間の客観的な把握義務が課されています(同法第66条の8の3)。在宅勤務の実施に際しては、PC等の使用時間の記録などの方法によって労働時間を管理するなど、工夫が求められますので、注意が必要です。

<派遣社員について>
一方、派遣社員については、派遣先と派遣元との間で締結する労働者派遣契約において、就業場所が特定されています(労働者派遣法26条1項1号)。当該派遣契約に自宅を含む事業所以外の在宅勤務環境が指定されていない場合には、派遣先企業である貴社が派遣社員に在宅勤務を命じることはできません。この場合、別途、派遣元企業と協議を行い、在宅勤務に関する合意を取得する必要があります。
<出社拒否者への出勤命令>
Q3 新型コロナウイルスの感染が拡大し、労働者が感染を恐れ出勤を拒否しています。しかし、当該労働者の業務は在宅では不可能であることから、出勤命令を出したいのですが、可能でしょうか。
A:可能です。
ただし、使用者は、労働者に対し、安全配慮義務を負っていますので、労働者が安全に労務を提供することができる環境を整えていることが前提となります。
今般の新型コロナウイルスでは、使用者の合理的な配慮義務を尽くし、新型コロナウイルスへの感染リスクを可能な限り排除していることを要します。
<管理職者・店舗スタッフ等への出勤命令>
Q4 新型コロナウイルス感染予防のために、多くの社員に在宅勤務を推奨しているのですが、業務の性質上、管理職者や店舗スタッフは、出勤を要するという扱いですが問題ありますか。
A:会社として各労働者の性質・業務に応じ、個別具体的に在宅勤務の必要性・許容性を判断し、異なる取扱をすること自体は許容されます。

<管理職者>
本件では、管理職としての職責(業務状況の把握や経営層との意思決定等)関係で出勤を要するということであれば、管理職者には出勤を要するという扱いが可能です。

<管理職者ではない労働者間の別異取扱の可否>
そして、業務の性質に基づき、各労働者について別異取扱を行うことも可能です。
例えば、店舗の接客スタッフは、出勤を要するが、本社事務スタッフは在宅勤務を許容するという扱いも可能です。
ただし、不特定者との接触という感染リスクを回避すべく、手洗いを励行させ、マスクや消毒液を与える等の対応を行い、安全配慮義務の履行をともなうことが大切です。
<飲み会等の私的行為の禁止命令の可否>
Q5 会社が労働者の就業時間外の私的な会合、飲み会、旅行等を禁止や制限することはできるでしょうか。要請という程度に留める場合には可能でしょうか。
A: 労働者の私的行為について、禁止や制限することは、原則、認められません。
ただし、当該私的行為が、企業秩序維持や業務遂行に悪影響を生じさせる恐れがある場合には、禁止や制限が許容される余地があると考えます。
例えば、感染者の多い海外の特定国から帰国した社員について、一定期間出勤停止や在宅勤務を命じることは、他の労働者への安全配慮義務の履行のために許容されると考えます。
もっとも、労使間で協議の上、特定の私的行為の自粛を要請することは差し支えありません。