中小企業法律支援センター

従業員にSNSへの不適切な投稿をさせないための予防法と、投稿したときの対処法 投稿者 : 髙橋 未紗(弁護士)

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執筆日:2016/12/12

TwitterやFacebook等のSNSは、情報発信やコミュニケーションの手段として、経営者の方々から従業員まで、今や大多数の人が日々利用しています。他方で、従業員がSNSに不適切な投稿(顧客の個人情報の漏洩、社内機密の暴露、会社批判、店舗での悪ふざけ等)をして炎上し、会社の経営に支障を来たしたという事例も、報道で散見されるようになりました。
会社として、従業員のSNS対策は、今や重要な労務対策の一つと言えます。ここでは、予防法と対処法について、ご説明します。

従業員に不適切なSNS投稿をさせないための予防法

従業員のSNS投稿が一度炎上してしまうと、情報が拡散し、取り返しのつかない事態になる可能性があります。従って、従業員に不適切な投稿をさせないということが重要です。
そのためには、まずは社内で、具体的な炎上事例を参照した研修等を行って従業員教育を徹底し、SNSの影響力の大きさや、その影響により会社の存続にも支障をきたす可能性があること、投稿は匿名であっても特定される可能性があること、また従業員自身が民事・刑事の責任を問われる可能性があることを周知することが有効です。
さらに従業員教育に合わせて、就業規則やその他の社内規程等にSNSの利用に関する規定を定めるとともに、規定に違反した場合は懲戒事由になることを明記するというのも効果的な対策です。

従業員がSNSに問題のある投稿をしてしまった場合の対処法

従業員が不適切な投稿を行ったことが判明した場合、まずは投稿内容の確認と証拠保存、並びに現状の把握(拡散範囲や顧客等への影響等の把握)を早急に行う必要があります。
その上で、第三者に拡散して炎上していた場合は、投稿内容に応じて、対外的な情報発信の要否や、相談窓口の設置等の炎上対策について早期に検討するとともに、投稿した従業員に対して、懲戒処分や民事・刑事の責任追及も検討します。

まとめ

SNSは手軽に投稿でき、かつ誰でも簡単に投稿を閲覧できるという点が特徴であり、会社の広報や営業に利用できるという利点があります。しかし同時に、会社に不利益な従業員の投稿についても、シェアやリツイート、いいね!等をすることで、爆発的に第三者への情報拡散が可能であり、また一度拡散してしまうと、拡散した情報を削除することが非常に困難であるという特徴があります。
その特徴を理解して、従業員教育を十分に行って不適切な投稿を防止するとともに、従業員による不適切な投稿を把握した場合のために、事前に、投稿内容に即した迅速かつ適切な対策を講じておき、万が一の場合の被害拡大に備えるということが肝要です。

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