経営お役立ちコラム

2020.04.08 【新型コロナウィルス関連】

新型コロナウイルス対策に関するQ&A
(労働関係その1:休業手当・特別休暇等)

【2022.8.8現在】

労働関係等については、個別の事情によって結論が変わってきますし、事案によっては微妙な判断が求められたり、最終的には経営判断をせざるを得ない部分もあるので、お悩みの場合は弁護士にご相談することをお勧めします。
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1 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)

<休業させる場合の留意点>
Q1 新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。
A: 新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、賃金の支払いの必要性の有無などについては、個別事案ごとに諸事情を総合的に勘案する必要があります。
この点について、労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。
もっとも、労働者がより安心して休暇を取得できる体制を整えていただくためには、就業規則等により各企業において、100分の60を超えて(例えば100分の100)を支払うことを定めていただくことは差支えありません。企業がこのような対応を行った場合、雇用調整助成金の支給対象となる場合があります。
なお、不可抗力による休業の場合は、使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はありません

ここでいう不可抗力とは、
①その原因が事業の外部より発生した事故であること、
②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること

の2つの要件を満たすものでなければならないと解されています。

実務的には、新型コロナウイルスの感染リスク拡大という誰にとっても未曽有の厳しい状況の中で、労使が協議し、協力して難局を乗り切るという姿勢が大切でしょう。
したがって、使用者(会社)側が、労働者の生活やモチベーションを配慮して、法的に求められる範囲を超えて休業手当や給料を支払うということも、経営判断としてはありうるものと考えられます。
<感染した労働者を休業させる場合>
Q2 労働者が新型コロナウイルスに感染したため休業させる場合に休業手当を支払う必要はありますか。その他に該当し得る補償はありますか。
A: 新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合(下記3のQ1を参照)は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、原則として休業手当を支払う必要はありません

なお、感染した労働者が、支給要件を満たす場合、傷病手当金が支給されます。

具体的には、療養のために労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12カ月の平均の標準報酬日額の3分の2について、傷病手当金により補償されます。
<感染が疑われる労働者を休業させる場合>
Q3 新型コロナウイルスへの感染が疑われる労働者について、使用者の判断で休業させる場合には、休業手当の支払いは必要ですか。
A:職務の継続が可能である従業員に、使用者の自主的な判断で休業させる場合には、基本的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があると考えられます。

もっとも、37.5度以上の発熱が4日以上続く場合や、強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)等があって、東京都発熱相談センターその他各都道府県の「受診・相談センター」(地域により名称が異なることがあります)等への問い合わせが呼びかけられている状態以上のレベルであれば、感染が合理的に疑われるような状況にあり、「職務の継続が可能」とは言えないので、使用者の自主的判断による休業と評価すべきでないから、休業させても休業手当を支払う必要はないのではないかとの見解もあります(五三智仁「従業員の労務管理等Q&A」NBL1166号15頁)。

感染の可能性の程度により休業手当をどの程度支払うかは悩ましい問題ですが、労使間できちんと協議をして、労働者のモチベーションに配慮した対応が望ましいと言えるでしょう。
<発熱などがある労働者の自主休業>
Q4 労働者が発熱などの症状があるため自主的に休んでいます。休業手当の支払いは必要ですか。
A: 就業規則や労働協約の定めに従った扱いが基本となります。就業規則や労働協約に定めがない場合には、ノーワークノーペイ原則が妥当することとなります。この場合、労働者に対し年次有給休暇の取得を促し、これを受け入れない場合には、通常の病欠と同様に取り扱うことが考えられます。なお、Q2と同様に、当該労働者が、支給要件を満たす場合、傷病手当金が支給されます。
<事業の休止に伴う休業>
Q5 新型コロナウイルス感染症によって、事業の休止などを余儀なくされ、やむを得ず休業とする場合等にどのようなことに注意すればよいのでしょうか。
A: 企業が求められる対応としては、まず労働者の不利益を回避するように努力することが大切です。そして、企業の存亡にかかわる事態ともいえますので労使双方の建設的な話し合いが重要です。

事業の休止に伴う休業に際し労使双方の合意が存しない場合、事業の休止に伴う休業が、「使用者の責に帰すべき事由」による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。一方、事業の休止に伴う休業が、不可抗力による休業の場合(Q1①②の要件に該当する場合)は、使用者に休業手当の支払義務はありません。

例えば、大口の取引先の一つが新型コロナウイルス感染リスクを考慮して事業を休止したことにより、自社も事業を休止した場合には、当該取引先への依存の程度、他の代替手段の可能性、事業休止からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力(自宅待機によって代替できるか)等を総合的に勘案し、判断する必要があると考えられます。また、前述したとおり、自社として不可抗力に該当すると判断した場合でも、労働者の生活やモチベーションを配慮して、あえて休業手当を支払うということも、経営判断としてはありうるものと考えられます。
<新型インフルエンザ等対策特別措置法適用下で、協力依頼や要請などを受けた営業の自粛に伴う休業>
Q6 新型インフルエンザ等対策特別措置法による対応が取られる中で、協力依頼や要請などを受けて営業を自粛し、労働者を休業させる場合、どのような対応が必要でしょうか。
A: 新型インフルエンザ等対策特別措置法による対応が取られる中で、協力依頼や要請などを受けて営業を自粛し、労働者を休業させる場合、法的には、民法536条2項の適用はなく、使用者に賃金支払義務は無いと考えられます。労基法上の休業手当の要否につきましては、個別の事例によって結論が分かれるところであり、後のQ7で詳述しますが、労基法上の義務が存しない場合であっても、事業主が労働者に対し休業手当を支払うという対応は、労働者保護の観点からは望ましい対応といえます。実務的には、労基法上の休業手当の要否について、厳格な解釈を行うよりも、休業中の手当の水準、休業日や休業時間の設定等について、労使がよく話し合いを行い、事業の存続と労働者の不利益回避という両者の立場を理解し、対応策を導き出す努力が求められます。
その他事業主として検討するべき方策は、雇用調整助成金を利用することが考えられます。雇用調整助成金は、事業主が支払った休業手当の額に応じて支払われます。今般の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、解雇等を行わず、雇用を維持する企業に対して、正規雇用・非正規雇用にかかわらず、助成率を中小企業は90%、大企業でも75%に引き上げるなどの特例措置を講じています。さらに、緊急事態宣言の実施区域、又はまん延防止等重点措置の対象区域において都道府県知事から営業時間の短縮等の要請等に協力する中小企業が解雇等を行わず雇用を維持しているなど一定の要件を満たす場合には、休業手当全体の助成率を特例的に100%(一日一人あたりの上限額15,000円)にするなどの支援が行われています。
Q7 新型インフルエンザ等対策特別措置法による対応が取られる中で、協力依頼や要請などを受けて営業を自粛し、労働者を休業させる場合、労働基準法の休業手当は必須でしょうか。
A: 事業主のおかれている状況及び休業回避努力の内容程度により結論が変わります。
新型インフルエンザ等対策特別措置法による対応が取られる中で、協力依頼や要請などを受けて営業を自粛し、労働者を休業させる場合であっても、一律に労働基準法に基づく休業手当の支払義務がなくなるものではありません。
労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。もっとも、不可抗力による休業の場合は、使用者に休業手当の支払義務はありませんが、不可抗力による休業と言えるためには、
  1. ①その原因が事業の外部より発生した事故であること
  2. ②事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であること
という要素をいずれも満たす必要があります。
①に該当するものとしては、例えば、今回の新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく対応が取られる中で、営業を自粛するよう協力依頼や要請などを受けた場合のように、事業の外部において発生した、事業運営を困難にする要因が挙げられます。
②に該当するためには、使用者として休業を回避するための具体的努力を最大限尽くしているといえる必要があります。具体的な努力を尽くしたと言えるか否かは、例えば、
  • 自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分に検討しているか
  • 労働者に他に就かせることができる業務があるにもかかわらず休業させていないか
といった事情から判断されます。
いずれも事案に応じた個別的な判断とならざるを得ない点をご留意ください。労使間で話し合い、労働者保護に配慮する努力が大切です。
また、前述したとおり、自社として不可抗力に該当すると判断した場合でも、労働者の生活やモチベーションを配慮して、あえて休業手当を支払うということも、経営判断としてはありうるものと考えられます。
<休業手当の支払いが不要な場合の賃金>
Q8 新型コロナウイルス感染症に関連して労働者を休業させ、休業手当の支払いが不要である場合について、労働者に対する賃金の支払いは不要でしょうか。
A: この場合、労働者に対する賃金の支払は、法的には不要です。

なお、一般的には、現状において、新型コロナウイルス感染症の拡大防止が強く求められる中で、事業主が自主的に休業し、労働者を休業させる場合については、経済上の理由により事業の縮小を余儀なくされたものとして、雇用調整助成金の助成対象となり得ます。
<賃金及び休業手当の支払を受けていない労働者への支援>
Q9 事業主として、賃金及び休業手当の支払を受けていない労働者に対する支援に協力できることはありますか。
A:新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金の支給に協力することが考えられます。新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金とは、新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止の措置の影響により休業させられた中小企業の労働者のうち、休業中に賃金(休業手当)を受けることができなかった方に対して、当該労働者の申請により、直接支給される支援金・給付金です。 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金は、主に以下①②の条件に当てはまる労働者に支給されます。
  1. ①令和4年1月1日から9月30日までの間に、新型コロナの影響を受けた事業主の指示により休業した中小事業主の労働者
  2. ②その休業に対する賃金(休業手当)を受けることができない方
    給付される金額は、休業前賃金の8割(令和4年1月1日~令和4年7月31日まで8,265円、令和4年8月1日以降8,355円が上限。営業時間の短縮等に協力する新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令第11条に定める施設(飲食店等)の労働者については、令和4年1月1日~令和4年9月30日の期間において11,000円が上限。)が休業実績に応じて決定されます。
    労働者本人からの申請のほか、事業主を通じて(まとめて)申請することも可能です。
(参考)
給付金制度の詳細、給付金Q&A、申請書のダウンロードなど
https://www.mhlw.go.jp/stf/kyugyoshienkin.html
<年次有給休暇としての取り扱い>
Q10 新型コロナウイルスに感染している疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取り扱いは、労働基準法上問題はありませんか。
A: 年次有給休暇は、原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものなので、使用者が一方的に取得させることはできません。
ただし、使用者から、事情を説明して、年次有給休暇の取得を促すことは差し支えありません。
<パートタイム労働者等への適用について>
Q11 パートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者についても、年次有給休暇の付与は必要でしょうか。
A: これらの労働者も労働基準法上の労働者であり、取得要件を満たす場合には、年次有給休暇付与が必要となっています。もっとも、就業規則や労働協約において、労働基準法上の付与内容を上回る年次有給休暇の付与規定がある場合、当該規定の内容に従って付与しなければなりません。なお、法定外の休暇制度や手当を設ける場合、パートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者等の非正規雇用労働者であることのみを理由に、一律に対象から除外することは、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保を目指して改正されたパートタイム・有期雇用労働法及び労働者派遣法の規定に違反する可能性があります。
<特別休暇の導入の手続>
Q12 新型コロナウイルスに関連して、労働者が安心して休めるよう、有給の特別休暇を付与したいと考えています。具体的な手続はどのような方法がありますか。
A:休暇に関する事項は就業規則上必要的記載事項であることから、新たに特別休暇制度を設ける場合には、就業規則を変更し、制度として特別休暇制度を設ける方法が基本となります。 ただし、緊急に特別休暇付与を行う場合、使用者から労働者に対し、期間を明示した上で、当該期間中の労働者の労務提供を免除するという法律構成をとることで、使用者からの一方的な休暇付与が実際上可能と考えられます。この場合、基本的には、賃金100分の100の支払を要します。なお、本回答は、労働者の就労請求権は原則否定する見解(裁判例)を前提にしています。
<小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援>
Q13 新型コロナウイルス感染症で小学校、特別支援学校等の臨時休業に際して、会社勤務の労働者が子どもの世話をするために休暇を取得する場合、どのような支援がありますか。
A: 臨時休業した小学校や特別支援学校、幼稚園、保育所、認定こども園などに通う子ども、新型コロナウイルスに感染した子どもなど、小学校などを休む必要がある子どもを世話するために、令和4年4月1日から9月30日の間に労働者(正規・非正規を問わず)に有給の休暇(法定の年次有給休暇を除く)を取得させた会社に対し、休暇中に支払った賃金全額(1日9,000円(緊急事態宣言の対象区域又はまん延防止等重点措置を実施すべき区域であった地域に事業所のある企業については1日15,000円)が上限)を助成します。

詳細はこちら
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_00002.html
s
<介護施設等の臨時休業等に伴う労働者の休暇取得支援>
Q14 新型コロナウイルス感染症に関連して、労働者が対象家族の介護をするために休暇を取得した場合、どのような支援ができますか。
A: 介護サービスを利用していた家族又は利用しようとしていた家族が新型コロナウイルス感染症の影響により介護サービスを利用できなくなったこと等への対応として、中小企業事業主が、労働者が当該家族を介護するための有給休暇を設け、仕事と介護の両立支援制度の内容を含めて社内に周知し、当該休暇を合計5日(所定労働日ベース)以上労働者に取得させた場合には、助成を受けることができます。
詳細はこちら

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html
(両立支援等助成金介護離職防止支援コース「新型コロナウイルス感染症対応特例」リーフレット https://www.mhlw.go.jp/content/000806011.pdf
<新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援>
Q15 新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置により妊娠中の女性労働者が休業する場合、どのような支援があるのでしょうか。
A: 新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として、医師等の指導により休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が取得できる有給の休暇制度(年次有給休暇を除き、年次有給休暇について支払われる賃金相当額の6割以上が支払われるものに限る。)を整備し、当該有給休暇制度と新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の内容を労働者に周知するための措置を講じている事業主であって、令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に、当該女性労働者に対して、当該休暇を合計して5日以上取得させた事業主は(ただし申請までに令和2年度の「両立支援等助成金(新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得コース)」、「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金」を受給していないこと。また、令和3年度に新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇制度導入助成金を受給していないこと。)、助成を受けることができます。

詳細はこちら
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11686.html
<外国人の労働者に対する労働基準法の適用>
Q16 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、年次有給休暇など)については、外国人にも適用されますか。
A: 労働基準法の適用があるか否かに、外国人であるかは関係ありません。

外国人の方であっても、労働基準法の労働者に当たる場合は、一定の要件を満たす場合には、労働基準法における休業手当の支払いを要するとともに、労働者が年次有給休暇を請求した場合においては、原則として、労働者が請求する時季に与える必要があります。
<外国人労働者に対する適用>
Q17 上記Q10の小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援は、外国人を雇用する事業主にも対象になりますか。
A: 事業主に雇用される労働者であれば外国人についても適用されます
<保育所への登園自粛を要請された場合の育児休業の延長>
Q18保育所に子どもを入所させる予定だった労働者が、市区町村等から当該保育所への登園自粛の要請を受けたため、当面子どもを保育所に預けないこととなりました。こうした場合、育児休業の延長を認めなければならないでしょうか。
A:
<子どもが1歳までの場合>
現在育児休業中の労働者から申出があった場合、事由を問わず育児休業の終了予定日の繰下げ変更(最長1歳まで(※1))を認める必要があります(※2、3)。 なお、繰下げ変更後の休業期間についても育児休業給付金は支払われます。
また、育児休業から一度復帰している方から再度の休業の申出があった場合も、休業(最長1歳まで(※1))を認める必要があります。なお、再度の休業期間についても育児休業給付金は支払われます。
  • (※1)両親がともに育児休業をする場合、一定の要件を満たせば最長1歳2か月まで(パパ・ママ育休プラス)
  • (※2)1歳から1歳6か月までの休業、1歳6か月から2歳までの休業それぞれについても同様に繰り下げ変更を認める必要がある。
  • (※3)繰下げ変更の申出は1か月前となっているが、申出が直前になった場合でも、繰下げ変更を認めることは可能。
<子どもが1歳又は1歳6か月になるときの場合>
子どもが1歳又は1歳6か月になるときに、引き続き育児休業をしたい旨労働者から申出があった場合、育児休業(1歳からの休業は最長1歳6か月まで又は1歳6か月からの休業は最長2歳まで)を認める必要があります。
なお、引き続き休業した期間についても育児休業給付金は支払われます。

(参考)育児・介護休業法に基づく育児休業の要件
  • ○育児休業をすることができるのは、原則として子が1歳に達する日までです。
  • ○子が1歳に達する時点で、次のいずれにも該当する場合には、子が1歳に達する日の翌日から1歳6か月に達する日までの期間について、育児休業をすることができます。
  • ①子が1歳に達する日において、労働者本人又は配偶者が育児休業をしている場合
  • ②保育所に入所できない等、1歳を超えても休業が特に必要と認められる場合
  • ○さらに、子が1歳6か月に達する時点で、次のいずれにも該当する場合には、子が1歳6か月に達する日の翌日から子が2歳に達する日まで育児休業をすることができます。
  • ①子が1歳6か月に達する日において、労働者又は配偶者が育児休業をしている場合
  • ②保育所に入所できない等、1歳6か月を超えても休業が特に必要と認められる場合
<自主的に保育所への登園を自粛した場合の育児休業の延長>
Q19 保育所に子どもを入所させる予定だった労働者が、市区町村等からの登園自粛の要請は受けていないものの、感染防止のために自主的に子どもを保育所に預けないこととしました。こうした場合、育児休業の延長を認めなければならないでしょうか。
A:
<子どもが1歳までの場合>
現在育児休業中の労働者から申出があった場合、事由を問わず育児休業の終了予定日の繰下げ変更(最長1歳まで(※1))を認める必要があります(※2、3)。
なお、繰下げ変更後の休業期間についても育児休業給付金は支払われます。
また、育児休業から一度復帰している方から再度の休業の申出があった場合には、再度の休業を認める必要はありません。ただし、各企業において独自に再度の休業を認めることは差し支えありません。
なお、こうした法を上回る対応により認められた休業期間については、育児休業給付金は支払われないためご留意ください。
  • (※1)両親がともに育児休業をする場合、一定の要件を満たせば最長1歳2か月まで(パパ・ママ育休プラス)
  • (※2)1歳から1歳6か月までの休業、1歳6か月から2歳までの休業それぞれについても同様に繰り下げ変更を認める必要がある。
  • (※3)繰下げ変更の申出は1か月前となっているが、申出が直前になった場合でも、繰下げ変更を認めることは可能。
<子どもが1歳又は1歳6か月になるときの場合>
子どもが1歳又は1歳6か月になるときに、引き続き育児休業をしたい旨労働者から申出があった場合、申出を認める必要はありません。ただし、各企業において独自に休業を認めることは差し支えありません。
なお、こうした法を上回る対応により認められた休業期間については、育児休業給付金は支払われないためご留意ください。

このほか、労使の協議により、例えば子どもが2歳以上の場合などについても独自に休業を認めることは差し支えありません。なお、こうした法を上回る対応により認められた休業期間については、育児休業給付金は支払われないためご留意ください。

使用者(会社)側としては、労働者の生活やモチベーションを配慮して、極力柔軟な対応に努めることが、経営判断として考えられます。

(参考)育児・介護休業法に基づく育児休業の要件
  • ○育児休業をすることができるのは、原則として子が1歳に達する日までです。
  • ○子が1歳に達する時点で、次のいずれにも該当する場合には、子が1歳に達する日の翌日から1歳6か月に達する日までの期間について、育児休業をすることができます。
  • ①子が1歳に達する日において、労働者本人又は配偶者が育児休業をしている場合
  • ②保育所に入所できない等、1歳を超えても休業が特に必要と認められる場合
  • ○さらに、子が1歳6か月に達する時点で、次のいずれにも該当する場合には、子が1歳6か月に達する日の翌日から子が2歳に達する日まで育児休業をすることができます。
  • ①子が1歳6か月に達する日において、労働者又は配偶者が育児休業をしている場合
  • ②保育所に入所できない等、1歳6か月を超えても休業が特に必要と認められる場合
<派遣社員への派遣先からの特別手当給付の要否>
Q20 当社は社員に対して一律臨時の手当を給付しようと考えておりますが、これは直接雇用する社員のみならず、派遣社員にも給付しなければならないでしょうか。
A: 結論としては、派遣労働者に対する手当の給付は必須ではありません。
派遣労働者は、派遣元企業に雇用されており、派遣労働者の賃金や手当、特別休暇などはすべて派遣元企業と派遣労働者間の契約関係から発生するものです。
したがって、派遣先企業が直接雇用者に対して特別手当を給付する場合、派遣労働者に対しても同様に当該手当を給付する必要はありません。
この点、支給要件を満たす場合には、派遣元企業から、派遣労働者に対し、労働基準法第26条に基づき、休業手当を支払う必要があります。
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